内田敏樹

「サボテン」の制作で用いた、微細な点を集合させて独特の質感を生じさせるという手法はその後の「古代の花とんぼ玉」へと引き継がれます。



この玉は２００１〜２００２年のもので、地肌、花、葉などはその方法で作られています。
微妙な色合いと質感を持った出来上がりに歓喜しました。

1999年、サボテンの試作を始めた当初、まずは表面の質感をどう表現するかを考えました。
単純に不透明の緑色一色ではのっぺりとしてしまい全く面白くありません。
そこで、微細な緑色の点を集合させてみたらどうかと作ってみたものがこれです。
緑色の点の周りは白色としました。

これとは別に、周りを別のトーンの緑色で囲ってみたこともあったのですが、
縮小されると二種の緑色の差異が感じられなくなり、
ただの一色となってしまいました。

１９９９年ごろに初めて制作し発表しました。
この画像は２０００年１２月にギャラリー紀楽で行った個展のときのものです。

「サボテン」制作に用いた手法は
その後の「古代の花とんぼ玉」「モザイク」などの創作に大いに役立ちました。
そしてそれは連綿と続いています。

「サボテン」制作で培った表現方法、技術は大きな財産となりました。

年内すべての作品展が終了し少しのんびりしています。
今は引き続き「シャーマン」の制作と、「南の島のとんぼ玉」「古代の花とんぼ玉」を。
それと突然ですが「サボテン」をまた作りたくなりそれの制作も同時進行させています。
「サボテン」は前述の三種に比べるとやや力を抜いて取り組んでいます。
早ければギャラリー田中、または北澤美術館での展示に出せそうです。


これは30年ほど前のパートドヴェール作品で、
タイトルは「腐朽樹」です。

南の島のとんぼ玉

このとんぼ玉は１１月９日付のブログに載せたものです。
制作年月日は定かではありませんが、おそらく１５年ほど前かと記憶しています。

この玉を元に新たに制作したものが今回の２Ｈに出品中の以下の三点です。



旧作では葉の先端を巻きましたが今回の三点ではそれはしませんでした。
くどくなりすぎるかなと判断したからです。
他には、今回のものでは余白の部分の面積を増やし、
旧作のやや窮屈に見えるところを改めました。

ずっと「シャーマン」の制作にかかりきりでしたので
とても新鮮な気持ちで取り組むことができ、
制作途中では、ここをこうしてみたら？
とかいろいろと思いつき、
また派生形が誕生しそうな予感がしています。